2010-10-09

観覧車イベントをいろいろ考えてみた

観覧車に乗りたいのか?
い、いいだろう……
私も今日が恐怖を克服するその時と考えていたところだ
私と勝負しあなたが勝てたならば一緒に観覧車に乗ってあげよう
さあ、どうする?


その1
〜主人公も高いところが怖かった場合〜

そして私たちは観覧車に乗り込んだ。
「オオウ想像以上に高い」
ナツキさんがこわごわ外を見ながら言う。
思ったよりスピードが速くて戸惑った。少し、怖いかもしれない。
「オオウ想像以上に揺れる」
風が強いのかもしれない。私は外を見る余裕もなく、何となく観覧車の天井を見つめていた。
観覧車が頂上にたどり着いた頃、視界の端にスワンナが飛んでいるのが見えた。何となく視線で追いかける。前から現れ、後ろへと飛んでいったので私は振り返った。
「オイ動くなよお落ちるでしょ! おねがいだから動かないでー!!」
ナツキさんがあまりにも怖がるから、私は怖さを忘れ、おかしくて笑ってしまった。
ナツキさんはその事に気づかず、
「あ……、もうだめ
限界です……。……手、……手つないでいい?」とか言いながら、こっちの返事を聞きもしないうちに手をつないできた。そんなに強く握られると少し痛いよ。


その2
〜主人公がクールだった場合〜
私たちは観覧車に乗り込んだ。
「オオウ想像以上に高い」
こいつは毎回何を想像しているのだろうか。私は気になったが、口には出さないでおく。
「オオウ想像以上に揺れる」
ナツキがまた言った。観覧車はそれほど揺れていない。ナツキが震えているだけだ。
退屈だったのでバックの整理をすることにした。モンスターボール、スーパーボール、ハイパ
「オイ動くなよお落ちるでしょ! おねがいだから動かないでー!!」
ナツキが叫ぶ。私は構わずにボールの並べ替えを続けた。
「あーもうだめ限界です……。……手……手つないでいい?」
面倒だったので左手を差し出す。ナツキは両手で私の左手をつかんだ。
その間ももちろんボールの整理を続けている。


その3
〜主人公が腹黒かった場合〜
そんなこんなで私たちは観覧車に乗り込んだ。

「オオウ想像以上に高い」
まだ4分の1も上っていないのにもうびびり始めるナツキ。子供か?
「オオウ想像以上に揺れる」
きっとこいつの貧相な想像力では観覧車の高ささえ分からなかったのだろう。哀れな男である。
私は怯えるナツキの顔を観察するのにも飽き、外を見ながら壁に少しもたれかかった。
「オイ動くなよお落ちるでしょ! おねがいだから動かないでー!!」
もう一度揺らしてやろうかと思ったが、私は優しいからやめた。この童貞男はこれ以上いじめたらマジで死ぬかもしれない。
「あーもうだめ限界です……。手……手つないでいい?」
いいわけねーだろ、と思いながらも、優しい私は右手を差し出した。私の手を握ってきた童貞男の手は冷や汗で濡れていて不快だった。あとで3回くらい手を洗わなければ。

その4
〜tanasinnだった場合〜
そしてナツキは観覧車へ乗った。
「オオウ想像以上に高い」
「オオウ想像以上に揺れる」
しかし観覧車は上ることもなく、下ることもなく静止しているのであった。いや、正確には静止しておらず上っているのだが、静止するために猛スピードで上っているために見た目には静止しているように見えるのだった。
「オイ動くなよお落ちるでしょ! おねがいだから動かないでー!!」
しかし観覧車にはナツキしかいなかったのだ。
「あーもうだめ限界です……。……手、……手つないでいい?」
ナツキは手を伸ばし、触れた。虚空にである。虚無とはtanasinn、意識の虚無を観覧車がつなぎ満たされぬ意識の深層に新しく流れるニューロンの電流がtanasinnを捉えた。tanasinnは感じるものなのである。


…… …… ……
…… …… ……
あなたが若干微笑んでいるように見えるのは私の気のせいか?
……まあいいだろう
私はそう遠くないうち恐怖を克服するだろう
なぜならエリートだからな!
今日はこれで失礼するがよーくよーく考えた上でどーしても仕方なくやむなく観覧車に乗りたいときはまた私に声をかけてくれ

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