「家畜人ヤプー」という小説がある。
沼正三、という人物の著作だ。
これを知ったのはWikipediaで、宗教的な、政治的な理由による完全去勢について調べていて偶然見つけたのだ。
あらすじを書くのは苦手だが、必要だろうので書くと、
196*年、西ドイツヴィスバーデン近郊。婚約したカップルであるドイツの名家出身クララ・フォン・コトヴィッツと日本人留学生瀬部麟一郎のデート中に、空から謎の円盤が墜落してきた。その中にいたのはポーリーン・ジャンセンなる白人女性であった。彼女曰わく、円盤は宇宙船でタイムマシンであり、自分は未来から来た、と言うのだ。彼女は麟一郎をヤプーと呼び(ポーリーン達の世界では日本人はヤプーと呼ばれる)、こうも言った。ヤプーは類人猿であり、動物であって、知性ある獣でしかなく、家畜である、と。
畜人犬(ヤップ・ドッグ:人体改造されたヤプー)に噛まれ全身麻痺になった麟一郎を救うべく、クララはポーリーンとともに未来世界にあるポーリーンの邸宅に行かざるを得なくなる。ポーリーン達の宇宙帝国、EHS(イース)で2人を待ち受ける運命とは───。
小説版は、都市出版やら角川やらで出てるが、今最も入手しやすいのは恐らく幻冬舎アウトロー文庫版だろう。と言ってもAmazonでも在庫なしの状況だが。
マンガ版は江川達也氏の物ならブックオフでも手に入ると思う。
まだマンガ版の五巻までしか持ってないから探して買わないと。
さらに、2010年には映画化されるようだ。
とにかく、家畜人ヤプーは凄い。三島由紀夫も愛読し、石森章太郎(当時)が漫画化し、舞台化までされた傑作である。
ちなみに、ウルトラマンAの異次元人ヤプールは、家畜人ヤプーを語源としている。
SFとしても素晴らしく、さらに甘美なるSMの極致たるもの、それが家畜人ヤプーなのだ。
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