俺は貧民街を歩いていた。みんな薄汚い服を着ている。
そこへ、馬車がやってきた。馬に引かせる橇に車輪を付けたような、粗末な馬車だった。
それに乗っている白と赤の服を着た少女に、俺は見覚えがあった。
「ナージャ!」と俺は叫びながら彼女に駆け寄る。
ナージャは怪訝な顔をした。誰?と聞いている様な顔だった。
「俺だよ俺!サーカスみたいな所で小間使いしてた」
彼女は顔を輝かせた。
「思い出したわ。──でしょ?」
そうだ、と答えて俺達は抱き合った。
それから色々な話をしたようだが覚えていない。
彼女と歩いていると、山根さんに会った。「俺、家を買ったんだぜ」彼の家に行くことになった。
彼の家は下水で浸されている地区にあった。アスファルト舗装されていない道路と彼の家の間には、幅二メートル、深さ三メートル位のドブがあった。山根さんはそれを飛び越した。キクも続いた。俺は怖くて飛び越せれない。山根さんは肩まで下水に浸かりながらも彼の家の庭に立って早く来いよ、と言っていた。山根さんの友達の1人も怖くて飛び越せれずに居たが、行くぞ、と叫んで跳んだ。 だが、ドブに落ちてしまう。山根さんは笑った。
ここで目が覚めた。
因みに、ナージャは「明日のナージャ」のアニメの時と違って19歳位だった。
山根さんとキクは村上龍「コインロッカー・ベイビーズ」の登場人物。
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